硬式&軟式テニス部 テニスシューズ

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テニスシューズの特徴

硬式と軟式の違い

まずショップで初めに疑問に思うのは、同じテニスだけど硬式と軟式でシューズは何が違うのかということですが・・・

はい、違いはありません。

細かいことを言えば選べるメーカーやデザインが違う場合は出てきますが、機能性としての違いはありません。
なぜかと言うと硬式も軟式も同じコートで使用するから。

部活の場合だと硬式部と軟式部という感じでコートが分けられていたり、そもそもどちらかしかない場合も少なくありませんが、街のテニスコートを見てみると硬式の横のコートで軟式をやっているのは当たり前すぎる光景です。
もちろん同じコート・同じタイミングで試合をしているということはあまりないと思いますが・・・

細かな違いとは

主に軟式の話になりますが試合で使用してもいいブランドが指定されています。また指定ブランドだったとしてもデザイン的に(色、ロゴマークの位置や数)軟式では使えない商品もあります。

これは軟式が主に日本の中高生のスポーツであり、学生としてふさわしくないような派手なものは避けましょう的な意図が働いていると思われます。
ただ最近はかなり幅広いブランドが認められ、選べるシューズの違いは少なくなっています。

サーフェース(コートの種類)によるシューズの違い

上記のようにテニスシューズは使用するコートによって選ぶシューズの種類が変わってきます。
体育館でサッカーをすることになっても、まさかスパイクは履きませんからね。それと同じことです。

何となく想像がついた人もいるかもしれませんが、違うのはシューズの裏面、ソールの違いにあります。大まかにわけると滑りにくいコート用と滑りやすいコート用の2種類に分かれ、一般的に下記の呼称があります。

  1. オールコート用
  2. オムニ・クレーコート用

1のオールコートはオールなら万能?と感じてしまいますし、2のオムニ・クレーコート用は店によってはオムニクレーと繋がって表記していて意味的によく分からなくなってしまっていることもあります。なぜこんな呼び方になったかは不明ですが、それぞれちゃんと違いがあります。

オールコート用

オールコートとは言いますが、主にハードコートで使用します。
ハードコートの中でもいろいろ細かな違いはあるのですが、大まかに言うと「足でブレーキをかけると ”キュッ” っと音がするような滑らない表面のコート」のことと思ってください。
似た環境としては体育館が近いかもしれません。

滑らないコートですから、激しく動き回り、突然方向転換するような動きをしたときにブレーキがかかりすぎると、つっかえてしまって足にとっては非常に危険です。
例えると、走っている自転車のスポークに金属の棒を差し込むようなことが起こります!
考えただけで恐ろしいですね・・・

ですのでオールコート用シューズはソールが、ブレーキがかかりすぎないようにわざと少し滑るようなパターンになっています。
見た目としては下の写真のように波線という表現がもっとも近くなります。

また細かいことを言うとオールコート用はオムニ・クレーコート用と比較するとやや擦り減りにくいとも言われます。
これはブレーキのよくかかるシューズほど耐摩耗性が低いためです。逆に言えば、よくブレーキがかかる必要のないオールコート用は耐摩耗性を上げることができるのです。
とはいえコートから受ける衝撃はハードコートの方が強いですから、シューズ全体で見た時の耐久性としては大きな違いはないでしょう。

オムニ・クレーコート用

オムニ・クレーと並べて表記していますが、もともとはオムニ(砂入り人工芝)とクレー(土)というコートの種類を並べているだけです。
オムニ・クレー両方で共通するのはコート表面が砂になっていて滑りやすい、むしろ滑ってプレーするのが前提になっていることです。

足元が滑るわけですから少しでもソールがグリップしてくれるように、オムニ・クレーコート用のシューズはよくブレーキがかかるようになっています。
冒頭であげたサッカーの例で言えばスパイクを履く理由と同じです。

見た目としては下の画像のように、サッカースパイクのイボイボが小さくなったようなツブツブが無数に存在します。オールコート用のように細くて浅い溝だと、砂が詰まってしまった時にまったくグリップしなくなるわけですね。

その他シューズの種類

本当は上にあげた2種類のほか、「グラスコート用」と「カーペットコート用」が存在します。
ただしウィンブルドンで有名なグラスコート(天然芝)は日本にはほとんど存在せず、室内コートでたまに見かけるカーペットコートは部活動で使用することはまずないでしょうから、本記事では割愛します。

テニスシューズの選び方

部活動での選び方

まず基本的な種類の選び方は前述のとおり、コートの種類で選ぶことになります。
つまり学校のコートがどちらのコートなのか確認することが必要ということです。

一般的に軟式テニス部なら

おそらく9割以上の確率でオムニ・クレーコート用を選択することになります。学校のテニスコートのイメージは?と聞かれたら大半の人がグラウンドと同じ土のコートをイメージすると思います。そのくらい日本の学校ではクレーコート(土)が主流です。

学校以外においても日本のテニスコートでもっともポピュラーなのはオムニコート(砂入り人工芝)です。学校で普段練習で使うのがオムニコートというのは私立校など一部の選手だけだと思いますが、校外での試合ともなればほとんどの確率でオムニコートを使うことになると思います。

どちらにせよ軟式テニス部を選んだ場合には使うコートはほぼオムニ・クレーどちらかとなり、選ぶシューズはオムニ・クレーコート用になるでしょう。

硬式テニス部の場合

軟式テニス部の場合と同じく、日本国内でテニスをしている限りオムニ・クレーどちらかになる可能性が非常に高いため、やはり軟式テニス部同様にオムニ・クレーコート用のシューズを購入することになるでしょう。

ただし学校によっては、一般開放されている市営のハードコートを使用して練習をしたりする場合があります。
大原則としてプレーそのものよりも「ケガしないこと」が大事ですから、できればコートに合わせてそれぞれ2種類シューズを用意したいところです。ランニングシューズの記事でも紹介しましたが、2足の使いまわしはシューズの寿命を長持ちさせる効果もありますから、ぜひご検討ください。

ちなみにどんなスポーツでもありますが個人的なこだわりというものがあって、ハードコートでオムニ・クレーコート用、オムニコートやクレーコートでオールコート用を愛用する人もいます。
特にオールコート用はあくまで “オール” ですしね。

ソールの種類が決まったら

次に選ぶのはブランド(メーカー)と商品(ランク)です。
軟式テニス部の場合は試合で使用できるブランドや商品が決まってきます。

参考:日本ソフトテニス連盟 公認メーカー
https://www.jsta.or.jp/events/qualifying_mark/official_recognition_maker

硬式でも指導者の意向によっては多少制限が出てくる場合があります。
まずは指導者へおおまかな基準は確認をするようにしましょう。

ブランドについて

軟式テニス部の場合は上記の公認メーカーがまずは大前提になります。
その上での一般論ですが、おそらく入部すると7割程度の子が下記の2ブランドのシューズを履いていることに気づくと思います。

  • YONEX
  • MIZUNO

これには理由があって、日本においてミズノはほとんどの競技に対してシューズを提供しているメーカーであり、テニスにおいても例外ではないこと、YONEXはラケット競技の分野においては世界TOPレベルのシェアを誇るメーカーであることが挙げられます。

そしてシューズを販売するショップ側としてもこの2メーカーからの仕入れはほぼ確実に行っており、入部シーズンになると店頭のもっとも目立つ位置に陳列されるシューズもこの2メーカーのものになっていることが多いからです。

ただしこの2メーカーの他にも有名なメーカーは多数あり、基本的にはどのブランドのシューズを選んでも問題はありません。
どちらかというと後述する「どのランクの商品を選ぶか」が重要となりますので、参考にされてください。

ただし結局どれを選んだらいいか分からなくなった時や、 ”無難に” 選びたいという場合は上記2ブランドのものを選ぶといいでしょう。

商品(ランク)について

さて商品を選ぶ際に一番重要な項目と言っても過言ではないのがこの「ランク」です。
もっとわかりやすい言い方をすると「初心者向け」とか「中級者向け」とかそういう選び方です。

テニスシューズにおいてはランクが高くなると何が変わっていくのでしょうか。

より激しい動きをサポートする

上級者がシューズに求める性能は、少しでも早くボール追いつきたい、コートを足裏で掴む感覚が欲しいなど、反応やフィーリングを重視したものになります。

  • 少しでも軽量化するために生地が薄い素材になっている
  • 激しい動きで熱がこもるのを防ぐためメッシュ生地が多用されている
  • 強い反発を得るためソール内部に固めのプレートが入っている
  • 強いブレーキをかけた時にシューズの変形を防ぐパーツが付いている
  • コートからのフィーリングをつかみやすいためにソールが薄くなっている

どれもすばらしい機能ではありますが、メッシュ生地の採用以外は初心者にはあまり必要ないかもしれませんね。むしろ薄い生地や薄いソールは物理的には耐久性に劣る場合がありますので、機能を活かしきれないまま寿命を迎える可能性だってあります。

ちなみにランクの高いシューズほどデザイン性にも優れている傾向がありますので、かっこいいシューズを選びたくなってしまう気持ちはわかりますけどね。

意外と便利?販売価格で判別する方法

おおよその話にはなりますが、上にあげたYONEXのSHT104や204のように初心者向けとして売られているシューズは各メーカーからだいたい定価7,000円前後で販売されています。
店頭に並ぶ実勢価格では6,000円程度、インターネットで最安値を探せば5,000円台、ひとつ前の型遅れモデルなら4,000円台といったところです。

対して上級者が好むようなランクの高いモデルは定価で12,000円~15,000円程度でしょうか。
規模の小さなスポーツ量販店では取り扱っていないことも珍しくなく、また店側にとってもわざわざ安く販売する意味もないのであまり安売りしているのも見かけません。
ただし型落ちになれば6,990円などサイズ限定の現品処分価格で購入できることもありますので、もし見かけたらチャンス??かもしれません。

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